精神科に入院 2 準備
↓最初から読みたい方用リンク。タイトルクリックすると別窓で開きます。
↓これはこの記事です
2015年7月、私は統合失調症で任意入院した。
目的は、自分に合った抗精神病薬を見つけること。
入院直前の精神状態は良くなかった。
妹にメールで「今変な奴に絡まれたら、殴る自信がある」 とか、
「約束していた会食は混乱しているのでキャンセルしたい」
「私との関係を誰かに聞かれたら、無関係と言ってください」
「犬(飼っている)が死ぬまで生きていていいのか分からない」
「私は自殺した夫の遺したお金で生活を保証されている。死ぬべき」
「自宅で死んだら、迷惑になる、どうしよう」
「犬と離れたくないが、もっと良い飼い主を探して手放すべき」
「遺言書作成して、遺品整理屋をリストアップしておく」
「人間が怖い、とにかく、怖い」 「黒目の縁から、黒い液が出て視界が黒っぽい」
「私が夫を殺した」
「こんどはハッキリと、私が原因だと誰かが遺書を残して死ぬ」
……などという、迷惑極まりないメッセージを送っていた。
うざいにもほどがある。
妹の返信は極めて落ち着いていた。
が、きっと酷く苦しみ、傷つきもしただろう。
年長者として、まったく情けない。
犬は犬で、不安定な私を気遣い、しょっちゅうくっついてきたり、顔を覗き込んで「大丈夫?」と全身全霊で問うてきた。
7月17日、病院に行こう、と思った。
本来なら多分薬も余裕があったし行く時期じゃなかった。
口でうまく伝えられる自信がなかったので、メモを用意した。
「正しい声が聴こえない」→正しい声、とは、幻聴の一種で私を助け、花を植えるよう導き育てられるようにしてくれた謎の声
「人が怖くてたまらない」→なぜ怖いのか説明がつかないが、感覚的に動きの予測ができない大きな動物や毒虫のように感じていた。
「私は人の死の金で生きている」→夫が死んだことで、マンションのローンが終わり、生命保険がおりた。それがなければとうに路頭に迷うか死んでいた。
「犬が死ぬまで生きられたらいい、その後は死にたい」
「死後の費用と、妹への幾らかのお金が遺せるうちに死にたい」
「カフェイン、酒、過食のほうが薬よりずっと気持ちが上がる」
「視界が黒っぽくなった」
「皆が私から離れていく」→自分から離れていったところもある。
病気を隠してもオープンにしても、働き盛りの独身女が無職というのはとても惨めで切ないし、相手も気を遣うだろうとわかる。
「皆わたしが悪いと思っている」→夫の死について。私は良い妻ではなかった。
「服用中の薬が偽薬で、試されているのではないか」
一ヶ月以上前から入院を勧められてはいたが、なかなかベッドの空きがでなかったんだけど、その時はちょうど一つ空いたところだった。
担当医は真面目に話を聴いてくれ、ケースワーカーが病室を見せてくれて、入院が決まった。
予定は三ヶ月。
当時の私の生活は、犬の散歩以外ほとんど外に出ず、たまに出かけても泊まりなら宿に籠もり、日帰りならすぐに帰宅して寝込む。
風呂は10日に一回。
春に受けた血液検査の結果は最低で「脂肪肝」。
このままいけば肝がん→死亡もあると脅された。
太っていってるのは自覚していたが、どんなに呑んでもガンマ値10を超えたことがなかったのでショックだった。
無気力で家事もままならず(誰も困らないが)病院に行くのもつらい日々。
今の病院を紹介してくれたのもその相談員だ。
前の病院はクリニックで、本院からお爺ちゃん先生がきて10分話を聴いて(毎回忘れるし、自分のカルテも読めない)薬出して終わり、だったのが、転院してちゃんと会話が成立する上に薬の説明をしてくれる医師に出会えた。
話がそれた。
そう、入院準備。
1 保証人。
これは妹と妹の旦那さんに頼んだ。
両親とはそのときすでに絶縁していたので。 無くても、保証金をちょっと多めに払えば大丈夫なようだった。
妹には病院から言われた保証人無しの補償金額を渡したが、断られた。
2 ペット。
犬は妹家族が預かってくれた。
三ヶ月計画だったので、エサ代や急な病気のときのお金を多めに渡した。
犬は誰にでも懐くのでそれほど心配はなかった。
3 お金。 保証金に6万ほど払う。
あとは、事前に役所で手続きすると、前年度の収入に応じた上限金額で入院ができる。
4 園芸。
ボランティアとはいえ、公園の花が枯れるのは忍びなく、友人の子供にアルバイトをたのんだ。
数日おきにたっぷり水やりしてくれたらあとはなにもしなくていいということで。
5 身支度。
レンタルパジャマなどない病院だったので、多めに部屋着を用意した。
あと、洗濯はよく物が盗まれると入院患者に聞いたので、院内のコインランドリーと乾燥機代として小銭をたっぷり用意。
6 家の植物や魚
植物は、原始的な水やり機(水やり当番とかいう、単純構造の)を設置。
小さな睡蓮鉢の小魚には、留守用の固形餌。
7 シャンプー・リンス・体拭き
10日風呂に入らなくても平気だったけど、同室の人から臭いと言われたら切ないので、シャンプー・リンス・体拭きシートを持って行った。
入院中は週一で風呂に入れるが、物が盗まれたり患者の序列によって洗い場が決まっていたりするので実質5分で全て終えなければならない。
当然、洗い足りないので人の居ない時間を見計らって、洗濯場や洗面所でシャンプー。
8 荷物の量
三ヶ月目安だと、一週間海外に行く分ぐらいの荷物の量になる。
それ以上でも変わらない。
タオルやティッシュを多めに。
買い物の許可が出ないと、とても不便だ。
9 携帯やスマホ
事前に医師に確認して、許可があれば持って行ったほうがいい。
TVは大広間に一台だった。
10 心の準備
患者は当然皆病んでいるが、症状はかなり違う。
これは事前に確認しておいたほうがいい。
私の入院した病院は、知的、認知症、精神ごちゃまぜで、長期滞在がメイン。
暴言を吐かれたり、セクハラ発言とか普通だし、人手が足りないので職員も看護師もその辺はスルーだった。
11 私のような症状ならできれば個室
私の失敗は個室にしなかったことだと思う。
同室のわがまま放題困ったちゃんに振り回される日々だった。
落ち着いて薬を試したいなら、多少お金がかかっても個室をおすすめする。
気を遣ってばかりで、消耗してしまうなんて無駄。
……こんなとこだろうか。
他に、準備しておくといいことってなにかな。
トランクに暗証番号の鍵ついてたほうがいいかな。
病院の個人用貴重品入れは小さいから。
あとは、スマホが医師から持ち込み許可出たら、通信サクサクプランに変更しておくとストレス減るかも。
「個人用ゴミ箱がない」とかフツーなので、なにもかも百均で揃える勢いでちょうどいい。
それから、何かあったときのためにも筆記用具は必須。
持ち込み不可でも(特になにも言われないけど)録音機は一応もっていたほうがいいかな。
なんかあった時「言った言わない」で揉めるかもしれないし。
それから、食事が貧相なので好きな味のレトルトスープとか、飲み物はあったらいいと思うな。
精神科って、入院病棟から出られない事が多いので、売店で買い物もできないんだよ。
医師の許可が下りればできるけど、最初の一週間は無理じゃないかな。
自販機すら。
今日のとこはここまで。
都会の精神病院はもっと自由かもしれないし、知的とか認知ごった煮にしないところも多いから、事前にちゃんと確認したほうがいいと思う。
変な例えだけど、分娩と堕胎と一緒にするぐらい、田舎の精神科はデリカシー無いよ。
都会の婦人科でも上記のことはよくあるみたいだから、なんとも言えないけどさ。